急に痛み始めた。咳も止まらない。|お父さんを心配する家族のいい話

655 :素敵な旦那様:2006/02/03(金) 06:53:46

今年に入ってから、胸が急に痛み始めた。咳も止まらない。
医者に行き、レントゲンを撮ってもらったら、肺に影が写ってた。
医者からCT検査を勧められるも、仕事で時間が取れず、放置してた。
家事と育児に追われる嫁には、余計な心配を掛けたらいけないと思い、
「大した事無いよ。暫く様子見てくださいってさ」と誤魔化した。

ある日、いつもの残業で深夜に帰宅すると、嫁が神妙な顔をしている。
「お医者さんから電話があったけど‥」と切り出した。医者は、CT検査の
事で電話をしてきたらしい。(余計な事を)と思いつつ、嫁に話をした。
「CTだったら会社の検診で希望すれば撮れるし。今年は希望するからさ」
「検診って半年以上も先じゃない。手遅れになる病気だったらどうするのよ」
「今は咳が出るだけだから。そんなに大層な病気じゃないよ」
そんな調子で、喧嘩になった。
「勝手にすればいいじゃない。万が一の事があっても、子供は私が一人で立派
に育てていくから」と嫁は捨て台詞を残して、その日から別々の部屋で寝る事
となった。
ある時、家に置いている「家庭の医学」にしおりが挟んであるページを開けたら、
そこには「肺癌」の事が詳しく書かれていた。
レントゲンの白い影、明確な自覚症状が無い‥、自分に当て嵌まる事が多かった。

それで、検査を受ける事にした。

 
657 :655:2006/02/03(金) 07:25:31
(続き)
忙しい時期ゆえ、休暇を取得するにもひと苦労した。結局、休暇が取れた
のが、検査を受けると決めてから一週間以上経った、一昨日だった。
一人でいい、って言ったのに、何故か嫁が付いてくる。病院への道中、
「子供の事は心配しないでね。実家に戻れば、あとの生活は困らないから」
「私もまだ若いから、いい再婚相手が見付かるかも知れないし」
と、憎まれ口ばかり叩いている。
このまま踵を返して、着替えて出社しようかとも考えた。
そして病院に到着。仄かに薬品の匂いがして、気持ち悪くなった。
CT室の前のソファーで、無限とも思える長い10数分間を過ごした。
検査は、あっさり終了。
嫁は、「今、検査技師の人が通ったけど、私の事を憐れむような目で
観たような気がする。やっぱり悪い結果だったのじゃないの?」などと、
相変わらず、憎まれ口を叩いている。
そして、診察室へ。
10数枚のCT画像を前に、女医がおもむろに口を開いた。
「肺腫瘍は無いですね。全く異常無しです。」

安堵した。と、次の瞬間、隣で立っている嫁が突然、号泣し始めた。
泣いて、しゃくりあげながら、「うちの主人、大丈夫なんですね?命に
関わる事は無いんですね?」と言った。
正直、あっけに取られた。声を聞きつけ、隣の処置室からも、何人か
看護婦が顔を覗かせた。
女医の話を聞くと、最初の胸の痛みは、どうやら肋間神経痛で、レント
ゲンの影は、器官が集中して2次元的に重なった箇所が、たまたまその
ように写ったのだろうとの事。
嫁は、なおも目頭を押えて泣き続けている。ふと見ると、女医も目を潤ま
せており、看護婦の中にはハンカチで目を拭いている人すら居た。

メークを落としてすっぴんの嫁を連れて病院を後にしながら、柄にも無く
「健康に気を付けて節制しよう」なんて思った。

 

 

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